TeXの系譜

注意

ウェブに落ちていた情報を、表面的に拾い集めたものです。 リリース年などは、だいたいこれくらい、と思って眺めてください。

リリース年

エンジン名

ベースのエンジン

フォーマット

できごと

TeX

1978

TeX78

-

-

-

TeX改良版

1982

TeX82

TeX78

PlainTeX

TeX78を改良

LaTeX

1984

TeX82

-

LaTeX

L. LamportがTeXのマクロパッケージを開発

BibTeX

1985

-

-

-

O. Patashnikが文献生成ツールを開発

LaTeX2.09

1985

TeX82

-

LaTeX2.09

LaTeXを改良したフォーマットを公開

MakeIndex

1986

-

-

-

索引生成ツールを開発

pTeX

1991

pTeX

TeX82

pLaTeX

TeX82を拡張したエンジン。日本語組版(縦書き、禁則処理、和文フォントなど)に対応

eTeX

1994

eTeX

TeX82

-

TeX82を拡張したエンジン。レジスタを増加。プリミティブを追加。

LaTeX2e

1994

TeX82

-

LaTeX2e

LaTeX2eをリリース。LaTeX2.09の後継バージョン

dvipdfm

1997

-

-

-

DVIをPDFに変換するツール。PostScriptを介さずに直接PDFを生成

pdfTeX

1997

pdfTeX

TeX82

pdfLaTeX

Han The ThanhがpdfTeXをリリース。PostScriptを介さずにPDFを直接生成できるようになる。

dvipdfmx

2002

-

-

-

CJK対応したdvipdfm

xindy

2004

-

-

-

MakeIndexの後継となる索引生成ツール。Unicodeに対応

XeTeX

2005

XeTeX

eTeX

XeLaTeX

XeTeXのリリース。eTeXを拡張したエンジン。Unicode対応。OpenTypeフォント対応。

LuaTeX

2007

LuaTeX

pdfTeX

LuaLaTeX

LuaLaTeXのリリース。pdfTeXを拡張したエンジン。Unicode対応。Lua対応。

ConTeXt

2008

ConTeXt

LuaTeX

ConTeXt

Biber

2009

-

-

-

文献生成ツール。BibTeXの代替ツール。BibLaTeXパッケージと一緒に利用する。

LuaHBTeX

2015

LuaHBTeX

LuaTeX

LuaLaTeX

LuaTeXを拡張したエンジン。

TeXの系譜を整理してみました。 美文書LaTeXに書かれていたTeXエンジンの変遷や、 ウェブ上で拾った情報、Wikipediaに記載されていた年などを元に並べたものです。 きちんと裏どりしたものではないことはご留意ください。

開発史を眺めると、 欧文の文書作成でスタートしたツールが、 日本語(やCJK)対応、Unicode対応、OpenTypeフォント対応、と 時代のニーズに合わせて進歩してきたんことが感じられます。

また、いちエンドユーザーとしては、これらの偉業をリスペクトしつつ、 XeLaTeXやLuaLaTeXといったいわゆるモダンLaTeXを ありがたく利用させてもらうのがよいのかなと思います。

        graph TD
    O[TeX] -->|レジスタ拡張| A[e-TeX]
    O --> |機能強化| B[LaTeX]
    A --> B
    A -->|日本語化| D[pTeX]
    B -->|日本語化| C[pLaTeX]
    D --> C
    D -->|Unicode対応| E[upTeX]
    C -->|Unicode対応| F[upLaTeX]
    E --> F
    A --> G[モダンLaTeX]
    G --> H[LuaLaTeX]
    G --> J[pdfLaTeX]
    G --> I[XeLaTeX]
    J --> |Lua| H
    H --> |HarfBuzz| K[LuaHBTeX]