```{eval-rst} .. index:: pair: Typst; usage ``` # Typstの使い方 [Typst](https://typst.app/)は[2023年3月にベータ版が公開](https://typst.app/blog/2023/beta-oss-launch)されたばかりの新しい組版システムです。 科学分野の組版システムといえばLaTeXが定番ですが、使いこなすのはなかなか大変です。 Typstは、LaTeXのような科学技術文書作成を念頭に、より使いやすいシステムを目指したものです。 文章のマークアップには完全独自の言語体系が使われています。 LaTeXよりMarkdownに近い記法になっているのですが、 Markdownより構造化した文章が書けるようになっています。 また、[pandoc](../command/command-pandoc.md)で変換できるので、既存の文書も比較的簡単に転用できそうです。 :::{note} まだまだパブリックベータ版なので、いろいろと仕様が変わる可能性はあります。 このページも常に最新状況を追っているものとは限らないので、公式ドキュメントも覗いてみてください。 ::: ```{toctree} --- maxdepth: 1 --- typst-install typst-build typst-import ``` ## 全体設定したい ```{toctree} --- maxdepth: 1 --- typst-page typst-par typst-text typst-document ``` ## テキストしたい ```{toctree} --- maxdepth: 1 --- typst-outline typst-heading typst-raw typst-list typst-strong typst-lorem typst-link typst-math ``` ## カスタマイズしたい ```{toctree} --- maxdepth: 1 --- typst-styling typst-set typst-show typst-title typst-logo ``` ## パッケージしたい [Typst Universe](https://typst.app/universe)をさまよって、便利そうなパッケージだなと思ったものをリストしています。 ```{toctree} --- maxdepth: 1 --- typst-gentle-clues ``` ## 物理したい パッケージの中で、物理学のレポートで使うと便利そうなものをリストしています。 ```{toctree} --- maxdepth: 1 --- typst-physica typst-metro typst-unify ``` ## TypstとLaTeXのちがい Typstの**一番の長所**だと感じたのは、LaTeXのプリアンブルような設定が不要でタイプセットできる点です。 ドキュメントクラスやエンジン、ドライバー、入力ファイルのエンコーディング、フォントマップの設定をしなくても、 和文ドキュメントからPDFが生成できます。 タイプセットそのものも爆速です。 差分コンパイルに対応しているため、ライブプレビューしながらの編集作業がとてもとても快適です。 また、ページ設定や図・数式の挿入、ハイパーリンクの書式なども標準装備となっていて、外部パッケージを必要としません。 公式ドキュメントには[LaTeX経験者向けのユーザーガイド](https://typst.app/docs/guides/guide-for-latex-users/)が 用意されており、LaTeXパッケージとTypstコマンドの対応が書かれています。 ここを参照すれば、やりたいことはすぐに表現できると思います。 **短所**は、まだ、日本語の情報が少なく、うまくいかないときに難儀するかもしれない点です。 修論の執筆に使うにはちょっと勇気が必要ですが、長めのレポート作成に使ってみるのはアリだと思います。