# Clingについて知りたい(`Cling`) `Cling`はROOT6以降で採用されているC++インタプリターです。 RintシェルのバックエンドとしてC++コードをリアルタイムで解釈・実行します。 ## Clingとは `Cling`は`LLVM`と`Clang`に基づいた、C++のインタプリター兼JIT(Just-In-Time)コンパイラーです。 ROOTの対話型シェル(Rint)がC++を実行する際に、内部で動作しています。 ### 主な特徴 - **C++の標準サポート**:C++11/14/17/20など、最新のC++規格に対応 - **リアルタイム実行**:コンパイルなしにC++コードを直接実行 - **詳細なエラーメッセージ**:コンパイルエラーを分かりやすく表示 - **コード補完**:RintシェルでTABキーを使った補完機能 - **動的ロード**:マクロやライブラリを動的に読み込み可能 ## ROOT5(CINT)との比較 | 項目 | ROOT5以前(CINT) | ROOT6以降(Cling) | |------|-----------------|-----------------| | 基盤 | 独自実装 | LLVM + Clang | | C++規格対応 | C++98程度 | C++11/14/17/20対応 | | エラーメッセージ | 簡潔 | 詳細で分かりやすい | | パフォーマンス | 低い | 高い(JIT最適化) | | デバッグ情報 | 限定的 | 充実 | ## 実装の視点 通常の利用では、Clingの詳細を意識する必要はありません。 ただし、以下のような場面ではClingの知識が役立ちます: - 複雑なテンプレート処理をROOTで実行する場合 - マクロのコンパイルエラーをデバッグする場合 - C++の新しい規格機能をROOTで使用する場合